Elecraft KX3がやってきた。

 2013年2月の終わりに、念願でしたElecraft 社のKX-3を購入いたしました。本当はK-3が欲しかったのですが高価過ぎて買えません。
候補としてK1やK2も頭にありました。K-1では持ち運びも楽ですが、MAX4Bandしか出られません。またK-2では6メーター無いので出られないのです。そんな時に 2011年中くらいでしたでしょうか、新型機種の KX-3 という、ものすごく小さい無線機が発表されました。しかもこんなに小さいのに1.9MHz~50MHz に出られるという優れもの。出力も小さいながら10wと、良い感じの物が発表され興味津々で眺めておりました。それ以外にも IC-703やFT-857でしたっけ、候補はありましたが、次買うならこいつだ。と決めておりました。

 残念ながら当初Elecraftでは日本の方は代理店を通して買って欲しいと言う意向で直接購入が一時期出来ませんでした。日本の代理店はEDCさんが取り扱っております。当然トラブル対策、修理、日本語マニュアルなどサポートも充実して居る分割高となります。

英語が出来ない、まったく作れる自信が無い方はEDCさんを通して購入された方が無難でしょう。直接購入は当然リスクが伴います。欠品や故障についても全てElecraftと直接やり取りしないとなりません。輸入される方はそのことを覚悟の上、直接購入してください。また私に質問されてもお答え兼ねますので予めご了承願います。

 2012年あたりから、直接Elecraft のホームページから購入出来るようになり、当然リスクはあるものの若干お安く手に入るようになりました。なぜか、 この頃から輸入品で5MHzが送受信出来る物は保証認定が受けられない。と言うことになり5MHzの電波が送信出来る物は、保証認定外となりました。このことがネックになりJAの購入者は激減。いち早く対応していたのはEDCさんで、ファームを書き換える事で5MHzの送信が出来なくなるようにしてくれておりました。ただこれは、EDCさんから購入された方が対象で、直で購入した方は対象外となります。まぁ、当然と言えば、当然ですね。

 EDCさんからの連絡で、Elecraftもこの事に気づいていただきまして、日本向けの最新の物は5MHzの送信が出来き無くする、代わりに4630KHz のCWが送受信出来るようになったJA-Version が送られてくるようになりました。なので今は心配しなくても良いようです。また、保証認定も Elecraftが同梱してくる、「JA-Version」の証明書の写しが有れば問題なく通ります。

箱は意外に小さい
箱の中は2段でこれと
これが入ってます
別注文品マイクその他

 送られてきた箱は思ったより小さく以前注文したオールキットの無線機のように、予想もしなかった大きさでした。会社から帰ってきて、午後10時すぎから組み立て始めてものの2時間程で完成でした。

今回一緒に注文したものが下記のものになります。
KX-3K KX-3 160-6M Transceiver kit(本体)
KXAT3 Internal,Wide-Range 20W ATU
KXFL3 Dual-Passband Roofing Filter
KXPD3 Precision Keyer Paddle for KX3
MH3 Hand Microphone for the KX3
KX3-PCKT KX3 Accessory Set
KXUSB-a USB interface cable
KXSER-SWAP Swap KXSER for KXUSB

 本体含め8セットとなりました。中には無料の物も有りますので、もらっておいて損はありません。ここで、やはり抜いてはならないものは、ATUと、ルーフィングフィルターです。予算があれば、パドルもあると重宝します。

ファームウェアup中
ファームウェアup中
パソ画面
礼文から運用中

 制作部分に関してはいろんな方が記載されていますので、割愛させていただくことにして早速組み上げて電源を入れて見ました。というかまず、電源どういれるんじゃ!から始まりましたが、BAND+ATUTUNEを同時に押せば電源はいると英文にありましたのでONに。無事起動し受信状態に。そして今年に入ってファームのUPがありましたので、サイトより専用ソフトを落としUSBで接続・・・と思ったんですがここで大きな落とし穴が・・・。このUSB-RS232C変換ケーブル、XPだとトライバーがいるじゃん。つか何も入ってないよと・・。まぁこんな事は慣れていますので名称がでるのでそのまま検索。さくっとホームページがあり、ドライバーも難なくゲッツ。インストロールしていざUPDATE。何事もなくUPdateできました。後で Elecraft のページに行くとちゃんとドライバー掲載されていましたね。ちゃんとホームページは確認しまいましょう。

 試しにちょっこちょっこっと電波出して見ましたが、5wになっていて5W以上にならず、おかしいなと思い表示を電圧にすると10V位しか出ていない。あれ?と思ってすぐ解りました。間違って電圧調整用のつまみを回しちゃってたんですね。13vにしたらきちっと10wまで回せましたし、12wまで出せるようですが、時々HI-Cut するよ。と言われて5wに落とされることも。ダミーで送信して居るときはそれはないんだけど、実際ANT付けると時々あるようですがお持ちの方はこんな経験されていますか?

と言うことで今回はこれくらいにしておきます。次回はもう少し掘り下げて行きたいのと申請に関して書きたいと思います。

KX3特有のVFOクリックノイズの軽減

KX3を買ってほぼ1年を超えました。使っていて色々な不具合にかち合うこと結構ありました。1番はVFO ノイズ。これはユーザーが誰でも持っていた悩み。最初は面食らいましたけど小さいから仕方ないのかと。久しぶりに Elecraft のホームページのMODS, NOTES & ALERTS の KX-Line Products → KX3 Application Notes の部分でを見ていたらたぶん以前からあったんだろうけどTuning Noise Suppression Modificationと言う項目がありPDF化されている。そんでもってめんどくさい英語を読むと端的に、KXFL3を改造しろと。

ピンをカットするだけだから、簡単かと言う訳で、まずKX3をばらしねじを一本外し、KXFL3を引っこ抜くのね。まー組み立てたのが本人なので、ばらすのはなんてこと無いんだけど。しかしこのフィルターだけで本当にVFOのチューニングノイズ減るのかと半信半疑状態。動かなくなるとかねーよな?と思いながら改造に走ります。KXFL3を引っ張り出すと、ああやっぱり小さい・・・おじさんの手ではムリかと・・。まとりあえずカットする部分にニッパーを入れて分離作業第一段階・・。

次どうしようか、このままピンごと切っちまおうか・・それじゃー芸が無いので、きれいに取ってやるかと言うことで、半田をきれいに吸い取ってやりました。まーこんなんでノイズが無くなるならいいかーぐらいな感じ。でもパターンを見ると配線されてるっぽいんだけど大丈夫なんかな・・。

KXFL3はここに
基盤を抜きました
VFO NRのON
VFO NRのOFF

このチューニングノイズは初期段階からあったようで、KX3の設定画面にもVFO NR の ON/OFF の設定がある。当然ONすれば軽減はされるが静かなバンドの場合はやっぱり気になる。色々使っているとこのノイズが結構気になるのである。

右の3本を撤去
裏面

これ以外にも色々な設定があり楽しめる部分も多様にあるだけど、購入して一番がっかりしたのはこのノイズだった。使っていくうちに慣れはするんですが、やっぱり静かになると気になり始めたり。まー気の持ちようと言えば・・・ですね(苦笑
で、きれいに半田も取れましたし、スルホールも傷をつけずに無事にピンだけ外す事に成功。っていうかいつもパソコンのメインボードのコンデンサー交換でもやってるのでコツが解っていればなんてことはないのだけど、やっぱり隣接部品には気を遣いますねぇ。まースルホールがあるので半田で埋めなくてもいいかなと。このまま再度KX3の本体に戻します。電源を入れ、VFO NR を OFF に。

で感想「あ、ほんとにほぼ無くなった」かすかに聞こえはしますが気にならない程に。 VFO NR ON の時以上に良い感じです。一応28.0886MHzに3D2RHがRTTYに居ましたので、CALL。無問題の様です。次はなんの対策しましょうかね。結構不具合の多い機種ですが、それなりに楽しめています。今後の問題は長時間OPで温度上昇。それとともに符号がめちゃくちゃになる件と、放熱対策でしようかね。おもしろそうなヒートシンクが出ているので買ってみたいな・・。また専用のOP台も出てきておもしろそうです。昨年の8月からIC706mk2から移動はこちらに切り替えましたが、50Wから10Wに落ちたせいもあり、なかなかQSOしづらいかも知れませんね。島からQRVしたときはまた呼んで下さい。

KX3既知の問題?単体でVSWRが高い件

さてKX3を使い始めて数年経ちました。申請の方法など記載しようかと思っていましたが、勝手に利用して使われるのが懸念されたので、公開は少し先送りします。第一、回路を理解されて居ない方が申請しても、質問で躓いて終わりかと。ちゃんと理解している方なら問題なくJARD でも、なんでも簡単にクリアすると思いますよ。

さて、色々と問題を持っているKX3ですが、ブロックノイズの他に(こちらは以前解消済み)一番気になっている点がもう一つあります。ATU をAUTO から Bypass に変更 ダミーを付けて送信そして VSWR を見ると結構凄い事になるの KX3 のお持ちの皆様はご存じかと。たぶんこれは既知の問題なのかも知れんが、気になる訳で。余談ですが、SWR をスワーとか言ってる方よくお聞き致しますが、「違いますから!」

ATUはAuto
ATUをbyp(バイパス)します
4.630MHz VSWRはちと高め

ATUをOFFにして懐かしいLED式のPower計+ダミーで送信して見ます。本当だと VSWR は 1.1以内でなければならないのですがまぁとんでもないことに。

1.9MHz はほぼ無限
3.5MHzも同様
7MHzは3ぐらい
18MHzからは下がる
21MHz は1.1
24MHz も1.1
28MHzも1.1
50MHzは少し上がる
     
4630KHzは5を示す
     

 こんな感じで、ATU ナシでは結構ヤバイのだ。配線自体もそんなもんだしな。で気になってバラして点検。Web で KX3 VSWR High で検索すると、英文だが Elecraft のユーザーページから「VSWR がHigh になる。」と言う記事が引っかかる、内容は2mユニットを取り付けたら異常に高くなると言うもの。これは2m の出力ケーブル配線ルートの問題らしい。こちらは解決策が出ていた。トロイダルコアの上を通すなって言う事らしい。なるべく離して配線せよ。と記載がありましたが、私の欲しい記事ではありませんでした・・・。

で気になって分解~

ATUの下にBNCが
ここにコアがありぶつかってる
折り返せと記載されてる

 ATU (オプションですよ)をはずすと下から、BNC の半田面が出ます。ここに送受信りケーブルと、トロイダルコアが一つあり、真ん中の写真の通りになっていたので、これなのかな?と、マニュアルを引っ張り出して見ると、このコアはぶつからない様に、シャーシにも接触しない程度で折り返せと記載があった。これは見落としていたが、言われたとおりやっても変わらなかった・・・。

これ以外に何か方法ご存じの方いらっしゃいますかね?心当たりの方は是非教えて頂きたく。

 あ、そうそう KX2でましたね。さらにコンパクトになって。50MHzと1.9MHz は無いようで、1.9MHzは受信のみできるようです。(ゼネカバ受信かな)800ドル近くしますが、ちょっと考えますよね・・・。

VSWRが高い理由が解りました。

 アホです。(笑) Elecraft にも質問してみたけど「そんな事はいままで聞いた事が有りません」と。解決策は無いかも聞いてみましたが、「ダミーを付けて確認するぐらいしかないよ」ってんで、考え込んで居ました。そこてふと、LED表示のダミー裏面見てみると、20MHz~1200MHzと書いてます・・・・・。知らんがなw違うダミー(50W)を付けて、再度挑戦・・

 と今度は全て無限大になります。(をいをい)そのダミー、壊れていないハズなのに変だなと、違う無線機に付けても無限大。こりゃこのダミーも変だなと。同じ50Wがもう一つあるのでそれを入れると 1.0に。KX-3につけても 1.1に。(50Mだけは 1.3ぐらい)

 ダミー分解してみました。見た目はなんだ大丈夫しょ。ってよーく見ると中央に亀裂が・・・。あれ?と思いNコネで抵抗値計ると0Ω・・・・
断線してました。

真ん中で折れてます

 まぁ、会社のゴミ箱から救済したもんだから、仕方ないですね。(苦笑)

と言うことで VSWRが高い原因は 使ったダミーロードが悪 でした。ちゃんとその後、Elecraftさんに、ゴメンナサイ。ダミーが壊れていました。事を説明。また何かあれば連絡してねー。と返信が来て、一件落着です・・・。

変更履歴
2020/Nov/14   Erecraftのリンク切れ修正
2018/Aug/17   VSWR Highの結果記載
2015/Aug/20
 
追記、修正
2014/JAN/05   記載