QRP Labs の QCX 18MHz CW TRXを作りましたのでリポートです。 前回、同じQRP-Labs の Ultimate3 の送信機を作成したのですが、また面白いキットが出ていましたので製作にチャレンジしました。
前回は国内発送でしたが今回はトルコから国際書留で送られてきました。前回はセラコンが足りませんでしたが今回はどうでしょうか。
主要部品とLPFは別になっています。またBAND別で使うコンデンサ。使わない(セットに入ってこない)コンデンサもあるのでご自分が何を買ったのか確認はして下さい。
作っていくと、あれ?電解コンデンサ入るところ無いなと思いましたらなぜか代わりにセラコンが余っている。英文マニュアルにも記載は無い。おかしいなと Home Page を見てみると、なんと記載されておりました。
ここは訳されて居ませんので、Google 翻訳さんに頑張って頂きました。(笑 PCB REV3 から REV 4についての注意事項 このマニュアルは、PCB Rev 4についての説明で、現在のキット製作説明はまだ更新されていません。 その変更はとても簡単です。唯一の変更点は、C21とC22がセラミック・コンデンサ(以前は10μFの電解コンデンサ)になったことです。 一部で推奨されるセラミック・コンデンサの値は0.1uFです。しかし、この値は14dB減衰する事が解っています。ただ、受信機の利得が非常に高い事が解っているので、14dB落ちても、低い帯域(80mと40m)で損失があまり関係しない可能性があります。ただし、高い周波数ではあまり望ましくないかもしれません。20-Jul-2018以降、キットには1uFと0.1uFの両方のコンデンサが供給されています。推奨値は1uFで、受信機のゲインにはほとんど影響しません。 また、ゲインコントロールポテンショメータからグランドまでの間にコンデンサ(C54 10nF)を入れるスペースもあります。 リビジョンの確認方法とC54の位置
リビジョン表示は基板上面、右下に上記の写真の様に記載されています。写真ではリビジョン4と言うことになります。 このkitの製作で一番問題なのはトロイダルコアのT1だと思います。作るのはそう難しい事はないのですが、基板に装着するのが一番厄介だと思います。High Band は巻き数が少ないのですが、Low Band は巻き数が多くなるので誤挿入に十分注意して下さい。挿入する穴も決まっています。巻き方向も有りますので気をつけて下さい。
被服ですが、紙ヤスリで削ってもいいですし、ライターであぶっても良いでしょう。この場合は被服をはぎ取った後にハンダメッキして下さい。もっとも簡単な方法はそのままハンダを盛ります。コテをちょっとだけ長い時間当てると、被服が溶けてハンダされます。 製作完了。電源投入 ここからは組み上げて電源を投入します。通常だと電源ONで写真の通りになります。数秒後には Select band: が表示されます。 バックライトしか出ない場合は、基板左上のR47(VR)を回して下さい。なんらかの文字が出るはずです。
ここでチューニングノブを回して、製作したBandに合わせます。私の場合は17mです。間違えてバンドを設定してしまった場合は工場出荷状態に戻すコマンドがあります。(英文マニュアル A4 タイプ 99ページ 7.8 Factory rst) トラブル 最初に書いた通りここのkitは一発で動いた事がないというのがジンクスでやはり今回も大ハマリでした。電源を入れコントラストを調整すると出てきたのは・・・
と言う表示。一発目からやる気を削がれます・・・。トラブルシューティングを見るとやっぱり乗っています。 LCDの上部の行はブロックで、下部の行は空白です 画面が上のようになったら... プロセッサが挿入され、正しい向きだった場合は、次にすべてのピンがソケットに正しく挿入されていることを確認します。みなさんの経験から、28ピンソケット挿入時にピンが曲がってしまったり、折れてソケットに接触していない事がありました。これ以外にも、例があります。一つは製造上の欠陥。(希にプロセッサにプログラムされていない事があります。)もう一つは半田の問題。大抵は半田付け中に気がつくと思いますが、プロセッサを抜いて半田をもう一度チェックしてください。 チップが工場から到着すると、脚は少し外側に広がります。それらを内側にゆっくりと絞ってソケットに収まるようにする必要があります。チップをソケットに押し込むことは非常に容易です。前にも書いて居ますが、中にはソケットに正しく入らず、その脚の1つが内側に曲がってしまっている。これに気付かない事があります。だから、すべてのピンがまっすぐであることを確認し、すべてのピンがソケットに正しく入っていることを確認してください。プロセッサのいずれかのピンがソケットに正しく接続されていない場合、プロセッサが起動しなくなります。どのピンが接続されていないかによっては、他の種類の障害も発生する可能性があります。 プロセッサの起動に失敗する ボードがRev1またはRev2 PCBである場合、プロセッサの起動に失敗する一般的な原因は、ここで説明するこの簡単な変更で、信頼性の高いプロセッサの起動を保証します。 Rev3 以降のPCBでは、この変更はすでに標準で含まれているので、この項目は適用されません。 それでも問題が解決しない場合は、20MHzの水晶が振動していることを確認してください。IC2(プロセッサ)のピン9か10(x1プローブではなく、プロセッサの水晶発振が配線されているピンを当たります。)にx10プローブを備えたオシロスコープで行うことができます。
最終的にはプロセッサが故障している可能性があります。これは希に起こります。組み立ての間違いではなく、欠陥のある部品があったと言うことです。他のすべての方法が無くなってしまったときに、欠陥のあるコンポーネントが最後の手段として常に疑われます。 初めてプロセッサが起動すると、最初に表示するのは、どのバンドを選択するかという質問です。ロータリーエンコーダーを回して、キットを組み立てたバンドを選択する必要があります。正しいバンドを選択することが重要です。間違ったバンドを選択しないようにして、ロータリーエンコーダーを使用して実際に必要なバンドに合わせて下さい。。 これは、ファームウェアが90度の直交発振器信号を生成する構成で、選択した帯域で信号を調整するためです。標準(デフォルト)の設定では、別の帯域になっているので周波数を調整するために必ず変更、実施して下さい。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 一応一通り確認。ピンは曲がってない。ソケットも別な物に交換してみたりしました。20MHzも発振しており正常。最終的に、MCUが壊れていると判断。実際、MCUを入れても、抜いても同じ状態と言うことが判明したため。 しかし入れて起動すると、今度はUse original IC ! なんて表示が出ます。ふと思ったのですがこれは中華のcopy避けだなと。フォーラムにも同じような記載があり、別なデータが必要である。と歌っていました。(フォーラムには同じ質問のスレッドが何個もありました。何処の国でも居るんですね。ちゃんと調べずに聞く人。大抵は「過去ログにあるから見てこい」と言われているようですよ。
死んでるMCU(写真に見えているオリジナルIC)から吸い出してみます。確かにライターのソフトにはFlash領域とEEPROMの領域があります。死んでいるはずなんだけど、データが出せました。結果的にメイン(FLASH)の hex は壊れて、EEPROMのデータは問題なしでした。
どうやらこのEEPROMの領域が必要らしく、ここのデータを抜き取ります。再度データを新しいMCUに投入します。(ファイル名等はマスクします) 上の写真ではFuseが入っていない。デフォルトではまったく動作しない事が解った。Hansさんの説明によると、Fuseも一緒に書き込まないと駄目らしい。ただこのFuse値、間違えると MCU の Reset 回路を切断してしまうので二度と書き込みが出来なくなってしまう。一応ソフトで警告は出ます。がそれ以外にも何かあるようです。 Fuseの値は公開されているので書いて置きます。 Ext 04,High D1,Low F7 です。実はこのソフトでこの値を入れようとすると Ext が違う値を返してきます。 確かにフォーラムにも違う値を返してくる話も書いています。それはそれでOKだとも。ここで何度かトライしているうちに、ディバイスが認識されなくなりました。どうも Fuse が悪さして駄目にしてしまったらしいです。 購入した MCU は全く反応しなくなってしまいました。 丁度、時々名前の出てくる Hans さんから、新しいファームと、EEPROM領域のデータがmailで送られて来ましたので合わせて検証します。 新品MCUが使えなくなったので仕方なくオリジナルICをいじる事に。こちらは単にFLASH領域に入れると、ベリファイエラーが出ます。ここで消去のチェック欄にチェックを入れないと駄目なのが解り、削除してから再度UP。EEPROMは消せないのでそのままOverwriteします。このMCUはFuseが入っているので、問題なのかなと。ファームウェアを 1.00e から 1.00f に書き換え。乗せると見事に起動。しかし今度は、設定が出来ません。設定画面に行けないのです。これはやっぱりMCUの問題かも知れないと言うことでとりあえず、この状態で音も聞こえて、電波も出る事が確認できたのでケースに納める事に。ケースはLEADのPSA-2(PS-2)を使っていますが、ちょっと余裕が有りませんでした。PSA-3の方が良いかもデス。
そうして電源を入れるとまた、四角いbox表示に。もう見たくないよ(苦笑)基板がなんかショートしてんのかと基板類を浮かしてみたけど状態が変わらない。これはまた大ハマリのパターンかと・・・。 何度か電源ON/OFF繰り返したりボタンを押したりしているうちに、MCUかな。と再度ライターを投入すると、壊したMCUと同じく認識しなくなりました。ライターの故障かと思ってwebに乗っていた Arduino で書き込みに挑戦。
Arduinoの場合は、MS-DOS画面で直接書着込むか、Arduino経由のライターソフトを使うかに分けられますが一番はMS-DOSコマンドで書き込むのが一番良いようです。ブレッドボードに乗せて書くと、bootloaderをcopyしている感覚になります(笑) 駄目なMCUに書き込もうとすると以下のようになります。 おわかりだろうかDevice signature = 0x000000 となって unknown deviceになっている。ATmega328Pであれば 1e950f =0x1e950f とならないと駄目らしい。下の書き込みが正常なMCUの値となります。
新品に書き込む時はちょっと時間が掛かります。これだと Fuseもきちんと書き込みされていました。直接書き込みもDos画面書き込みも成功していますが、kitはほぼ起動しなくなりました。
しかもここで気がついたのが、exitボタンとロータリーエンコーダーの動作がほぼ一緒。マニュアルでは、ここも電圧確認してくれと書いてある。実際測定すると、きちんとした電圧形成になっている。一つのピンで、入力される電圧の差で動作を変更している。が、ここも問題なし。mail をくれた Glenさんに再度この話しをしたら5分も経たないうちに返信。MCUの入力電圧おかしくないかと。まさか基板はリビジョン1とか2じゃないよな?とか。話によると最初のバージョンはここの問題でよく起動しなかったらしい。特にMCUの 7pinと20pinの電圧はおかしくないかとピンポイントで来たので測定すると、確かに変だ。 Glenさん曰く、7pinと20pinは同じ電圧じゃなきゃ駄目なんだ。もしかすると、マイクロインダクターが悪さしているかも?と言うアドバイスを頂きました。過去にもこのインダクターが悪さしていた事案があると。で Web を読んでみると確かに同じような事案で起動しない事が書いてありました。長文の英文で能書きが永遠とかいてあります。簡単翻訳すると、ここのピンは同じ電圧でなければならない。と英文マニュアルに詳しく記載されています。(動作良く読めと) 7pinと20pinにはマイクロインダクターを通って5Vが供給されています。20pin側の L5 の動作が怪しく、仮に7pinにぶら下がっているマイクロインダクターL6 の頭と 20pin の L5の頭を仮にジャンパーしてみます。 これでお互い 5Vになります。
そうするとですよ今までの挙動が嘘じゃないかっていうぐらい動くんですよ。BANDリセットも掛けられました。このままでもなんなので、マイクロインダクター換えの丁度良い物がありましたので、交換。そして抜いたインダクターをテスターに掛けて調べると、やはり壊れていると。断線ですかね。通常は抵抗とコイルが表示されますが、それすら無いわけで。無事起動したので調整へ行けます。アドバイス頂いた Glen さんにありがとう解決したよと mailを出しておきました。同時にフォーラムにも治ったよと書いておきました。
設定項目 調整するのは少ししかありません。ただしこの調整で、かなり左右されますので追い込むのが望ましいようです。写真で追っていきますそんなに難しくは有りません。調整箇所は以下の通り。
まだコンディションも宜しくなく何局かは受信しています。送信ですが、連続送信する送信出力がふらつきます。今それを調べています。 出力電力がふらつく訳 出力がふらつく件について、解ったのですが実は製作段階で、R64 10KΩ のセッティングが日本語マニュアルには抜けがあります。英語版にはきちんと記載されています。ふらつきはこの R64が実装されていなかっただけとなります。このR64 がHi Bandでは一番大切でリビジョン1,2で追加したほうが安定するレポートも出ていました。リビジョン3以降はきちんとパターンも用意され部品も供給されています。日本語マニュアルを見て作るとやっぱり危ないですね。ここらはテクニカルノートにも記載されているので、英文ですがご確認下さい。 このR64を実装する事で、出力は3W程度に安定しました。 電波を出すとLCDのバックライトが変化。 実はこの部分も後から追加されている項目で、LCDのコントラストを3.3K でブルダウンする事で安定するというもの。これも日本語のマニュアルには記載されておらず、そのまま鵜呑みにすると、上の10Kと3.3Kが1本づつ余ることに。実際余って変だなと思って英文マニュアルを見ると R65 の記載がありプルダウンするパターンも出来ています。これを実装することで、信号が出る度にバックライトが変化していましたが、ほぼ無くなりました。 GPSを使用したキャリブレーション キットには GPS のデータを使用し、時間管理や20/27MHzのキャリブレーションが出来ます。実際送信しながら、ある程度追い込むことは出来ますが、GPSを使い 1PPS 信号でキャリブレーションを取った方がより正確になります。Ultimate3S (まだ記事は書いておりません)でも使用しています。
TTL レベルで出力出来る GPS 受信機があるのですが、これを繋げたまま、exit するとなぜか電波がひっきりなしに出ます。理由は解りません。そもそもオリジナルじゃない GPS なので仕方ないですね。 取扱説明書(日本語)-鋭意作成中です。 参照元
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